2013年10月に逝った夫に捧げる
旧いブログから
👇『愛とは夫婦とは』
おととしの11月初旬(2011年のことです)
その日は朝から氷雨が降っていた
その数日前に余命宣告を受けていた夫
突然 おい 年金事務所に行こう! と
言い出した
なんで?と聞いても
応えないのは分かっているから
だまって出かける用意をした
JRの駅からタクシーに乗るほどの距離ではない
けれど
その体で歩いていくには・・・
まして氷雨が・・・
と
私は言ったが
何か思い詰めた様子に
それ以上なにも言えずにいると
歩いていく!と言うから
えっ!と言っただけで
傘をかけてあげながら付いて歩いた
“つらい治療後の帽子”にも
“ちょっとぶかぶかになったコート”にも
氷雨は降りかかっていた
氷雨は
病人さんにも病気でない人にも
“余命宣告を受けたヒト”にさえも
平等に降りかかるのだ
タオルで
“つらい治療後の帽子”や
“ちょっとぶかぶかになったコート”の肩を
拭いている私には目もくれず
年金事務所に着いた
職員さんが出て来られた
『私が死んだらこのヒトに
どのくらいの年金が入るのか
試算してくれ!』と言った
いきなりのことだったので職員さんは慌てて
いやま それは そのときに・・と言ったが
夫はにらみつけたまま
『やってくれと言ったらやってくれ!』と
体力の限界を超えた絞り出すような声で言った
わかりました
と
職員さんはその深刻さを察知して
試算表を作ってくれた
『これだけあったらヒトリでやっていけるな!?』
私にそれを見せながらそう言った
・・・
俺の人生の大失敗は
お前と結婚したことや!
あっそう
それはそれはお気の毒なことですね!と
真顔で言い合っていた私たち
エンディングノートには
わたし宛のものはひとこともなかった
が
あの氷雨の日を思い出すたびに
夫の愛を感じる
・・・・・
今年の10月になると
夫が亡くなって丸9年目を
迎えます
・・・・・・
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